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体 重ペリネイタルケア 2017 新春増刊 13妊娠期第  章1妊娠中の体重増加の生理 日本産科婦人科学会栄養問題委員会の報告2)によると、妊娠中の体重増加量は平均で11.46kgである。体重増加の大部分は子宮とその内容物(胎児・胎盤・羊水)、乳房、循環血液量と組織液の増加に起因する。その他には細胞内液の増加と脂質・蛋白質の蓄積が挙げられ、妊娠中の体重増加量は妊娠前の体重のおおむね20%である(図1)。 妊娠中、乳房はエストロゲンとプロゲステロンの作用によって妊娠5〜8週ごろから増大し始め、妊娠後期には乳腺の増大と脂肪組織の増加により非妊娠時の3〜4倍程度の重さに増加する。 妊娠中は血液量の増加を含めて、下垂体後葉からのバソプレシンの分泌増加により全身が水分を貯留する傾向となる。循環血漿量の増加は妊娠5〜6週に始まり、妊娠30〜36週ご■妊娠前の体格(BMI)に応じて過不足なく体重増加が得られているか?■妊娠中期・後期において単位期間での適切な体重増加が得られているか?■短期間での急激な体重増加が生じてないか?図1 妊娠中の体重増加の内訳 (文献1より引用改変)(kg)体重増加量12108642(週)10203040妊娠週数母体蓄積(乾燥重量)組織液血液子宮と乳房胎児胎盤羊水

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