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回 旋ペリネイタルケア 2017 新春増刊 97分娩期第 章2回 旋 分娩時に児が通る道を産道と呼ぶ。内側は子宮頸管と腟・外陰部の一部(軟産道)がこれに当たる。外側は硬い骨盤の骨(骨産道)で包まれており、児は産道の形に合わせて出てこなければならない。骨産道は途中でカーブを描いており、入り口は横幅が広く、出口は縦が長くなっている。児頭は上から見ると前後に長い楕円形となっている。従って、児頭は骨盤の入口部ではその形に沿って横を向いており、途中で向きを変えて、出口部では縦になって出てくる。これを児頭の回旋という。 第1回旋で起こる児頭の骨盤入口への進入では、矢状縫合を骨盤横径に一致させて強い前屈位をとる。 第2回旋で後頭を母体の前方に向けつつ産道を通過する。 第3回旋では後頭部が恥骨結合下を通過して頂部が恥骨結合下縁に接すると、そこを支点として頭部が反屈方向に横軸回旋する。この運動によって児頭は前頭、顔面、頤い部ぶ(下顎の先端)の順に会陰を滑って娩出される。 第4回旋は児頭の娩出に続いて肩甲が下降し、それに伴って児の顔面が母体大腿内側を向く縦軸回旋をする。回旋異常 正常では前方後頭位で進行するが、何らかの原因で回旋が妨げられると骨盤腔への進入時に反屈体勢となったり、第2回旋が起こらないと低在横定位、あるいは後頭が母体の後方に向かう後方後頭位などの回旋異常が起こる。■分娩が遷延していないか?(回旋の異常はないか確認する)。■第1回旋で後頭部が先進(反屈位)していないか?■第2回旋で後頭部が母体後方に回旋(後方後頭位)していないか?■第2回旋が起こらず矢状縫合が横のまま骨盤底(低在横定位)にないか?■第1・第2回旋が起こらず矢状縫合が骨盤縦・前後径に一致(高在縦定位)していないか?
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