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ペリネイタルケア編集委員会石川紀子(静岡県立大学看護学部・看護学研究科母性看護学・助産学准教授 /前 総合母子保健センター愛育病院外来師長)江藤宏美(長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)中田雅彦(東邦大学医学部産科婦人科学講座教授)松岡 隆(昭和大学医学部産婦人科学講座准教授)村越 毅(聖隷浜松病院産婦人科・総合周産期母子医療センター部長)はじめに 助産師のコアコンピテンシーの一つであるマタニティケア能力の中でも、「母乳育児支援」は欠かすことのできない重要な要素です。しかしながら、助産教育では分娩介助についての技術は学ぶものの母乳育児支援については実習の機会や学ぶ時間が少なく、助産師は臨床の現場に出てから先輩から乳房ケアの指導を受け、技術を覚えていくことが大半でしょう。いかに適切に母親の母乳育児を支援すべきか、乳房ケアのスキルを上げるかに苦慮している助産師は多いと思われます。 本増刊は、そのような背景と助産師のニーズを踏まえて企画しました。第1章では、乳房ケアに関する助産師の手技を中心にエビデンスを交えて解説していただきました。手技を文章化し図表にして示すのは難しいことですが、現場に生かせる内容にするため、経験のある執筆者の方々に具体的な手技・ケアを紹介していただきました。 第2章では、母乳育児のエビデンスを踏まえて、妊娠期・産褥入院中・退院後のそれぞれの時期に応じた母乳育児支援の方法を解説いただいています。また、授乳中の母親の食事や赤ちゃんの効果的な抱き方、搾乳の必要性、母乳不足のアセスメント、卒乳、人工乳補足の適応、感染症、授乳中の薬など、母親から相談される頻度が多い項目についても具体的に分かりやすく紹介しました。 第3章では、母乳関連の7団体に、基本的な考え方、手技・母乳育児支援の特徴、活動内容などを紹介いただきました。このように各団体の特徴が一覧できる媒体はこれまでほとんどなかったため、日本における母乳育児支援活動を知る好機にしていただければ幸いです。 このように、本増刊には乳房ケアと母乳育児支援のすべてを凝縮しました。これを手にした多くの助産師のマタニティケア能力が向上し、母親と赤ちゃんが妊娠期・育児期を健やかに過ごすための一助になることを祈念いたします。 編者代表

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