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26ペリネイタルケア 2017 夏季増刊 母乳育児支援としての乳房マッサージは、産後必ず行わなければならないケアではない。基本的には、分娩後から早期に授乳を開始し、児の欲求に合わせて繰り返し吸着させることで、母乳分泌は期待できるのである。乳房マッサージは、①乳腺開口や母乳分泌を促す、②乳房のうっ積やうっ滞を軽減させる、③硬結を減少させる──など必要時に行うものであろう。 現在、乳房マッサージは幾つかの方法が知られているが、実践ではさらに助産師個人の経験が加味されて、さまざまなやり方、自己流マッサージがなされているのが現状である。ここでは、愛育病院で先輩助産師から指導されてきた基本的なマッサージを紹介する。 マッサージの必要性のアセスメントは「第1章02 乳房の視診・触診のポイント」を参照のこと。マッサージは、産婦を臥床させても座位のままでもよい。臥床させる場合は、産婦の右側に座り、助産師の腕が産婦の乳房と水平になるよう位置を調整すると行いやすい(図1)。マッサージの加圧、手指の力はあくまで優しく、痛くないマッサージが基本である。乳房全体のマッサージ(図2〜6) 乳房を触診した際、乳房全体の可動性が良く、やや下垂している場合と、乳房が胸筋に張り付いているような、ぶらぶらとした動きがない場合がある。前者の方が早期に母乳分泌が期待できる。乳房の可動性が悪い、乳房はじめにマッサージの基本産褥期の乳房マッサージ静岡県立大学看護学部・看護学研究科母性看護学・助産学准教授(前 総合母子保健センター愛育病院外来師長) 石川 紀子 いしかわ のりこ図1 マッサージの姿勢マッサージの姿勢は腕と乳房とがほぼ水平になるように調整する。03
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