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90ペリネイタルケア 2017 夏季増刊 厚生労働省による平成27年度(2015年度)乳幼児栄養調査1)では、混合栄養も含めると、退院後に母乳を与えている割合は、10年前に比べて増加している(図1)。 一方、産科施設では、入院期間は短縮され、母親たちは入院期間中に母乳育児が確立できないまま退院を迎えることが多くなっている。産後入院期間の日数調査では、経腟分娩は平均5.6日、帝王切開分娩では平均8.8日であった2)。 総合母子保健センター愛育病院(以下、当院)は平均的な産褥入院日数であるが、乳汁生成第Ⅱ期が分娩後3〜8日目であるとすると、母乳栄養の確立途中で退院となるケースが多いという現状である。このような状況の中、母乳栄養を確立していくためには、入院中から退院後への継続的な支援が必須である。退院後、どのような支援が望まれているのか、母親の意向を尊重した母乳育児支援について、取り組みも含めて紹介する。入院中から退院後への継続的な支援の重要性退院後の母乳育児支援04総合母子保健センター愛育病院産科病棟主任助産師 小嶋 まり子 こじままりこ静岡県立大学看護学部・看護学研究科母性看護学・助産学准教授 (前総合母子保健センター愛育病院外来師長) 石川 紀子いしかわのりこ0%50%100%0%50%100%母乳栄養※栄養方法「不詳」除く昭和60年度(n=6,567)平成7年度(n=3,728)平成17年度(n=2,539)平成27年度(n=1,235)<1カ月>混合栄養人工栄養母乳栄養※栄養方法「不詳」除く昭和60年度(n=6,567)平成7年度(n=3,724)平成17年度(n=2,539)平成27年度(n=1,235)<3カ月>混合栄養人工栄養9.17.95.13.641.445.952.545.249.546.242.451.328.527.121.010.232.034.841.035.139.638.138.054.7図1 授乳期の栄養方法(1カ月、3カ月)の推移 (回答者:昭和60年度・平成7年度・平成17年度0~4歳児の保護者、平成27年度0~2歳児の保護者)(厚生労働省 平成27年度乳幼児栄養調査)
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