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ペリネイタルケア  2018年 新春増刊901母体適応・胎児適応、母児のリスクを鑑みた施行時期選択的帝王切開分娩の流れ【適応・施行時期】帝王切開分娩は経腟分娩と比較して母体合併症および新生児合併症が増加する。帝王切開術をせざるを得ない事情はあるものの、母体死亡率は経腟分娩では10万出生当たり0.2であるのに対し、帝王切開分娩では10万出生当たり2.2と報告されている3)。また、子宮摘出は0.03%と0.09%、産褥感染症は0.21%と0.60%、静脈血栓症は0.03%と0.05%と、いずれも経腟分娩に比較して帝王切開分娩で増加する4)。膀胱損傷は帝王切開分娩では0.13%の頻度と報告されている5)。また、新生児合併症においても、新生児呼吸障害(新生児一過性多呼吸や新生児呼吸窮迫症候群)のリスクは経腟分娩に比較して、帝王切開分娩で2〜3倍上昇する6)。加えて、次回妊娠においては子宮破裂や前置癒着胎盤などのリスクが増加することが知られている。 そのため、帝王切開分娩の適応や施行時期に関しては、これらのリスクを理解した上で、本人・家族にも十分説明し施行することが大切である。全分娩数における帝王切開分娩の割合(各年の9月の分娩)図20510152025(%)9.911.213.814.717.417.9一般病院一般診療所21.423.324.124.86.58.39.19.911.411.912.813.013.613.61987199019931996199920022005200820112014(年)(文献2より引用)

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