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ペリネイタルケア  2018年 夏季増刊136●子宮破裂 子宮破裂とは妊娠中や分娩時に子宮に傷ができることです。帝王切開瘢痕部が離開することも子宮破裂に含みます。「完全子宮破裂」と「不全子宮破裂」があり、完全子宮破裂は子宮筋層の全層の裂傷ないしは破裂であり、不全子宮破裂は子宮筋層の全層または一部が断裂するも、子宮の表面の漿膜には裂傷が及ばないものをいいます1)(図1)。 子宮破裂の発生頻度は分娩全体の0.02〜0.1%で、突発的に起こり、速やかな児娩出や子宮摘出術など、迅速な診断と適切な治療が求められる重要な産科救急疾患です。いまだ、その早期発見のための予兆に気付くのは難しく、防ぐことも難しいのが現状です。母体、胎児双方が危機的状況に陥ることもあります。 過去に子宮の手術を受けたことのある妊婦さんは、子宮手術既往として子宮破裂のリスクとなります。妊婦さんの年代が受けている頻度が多い子宮の手術として、帝王切開術や子宮筋腫核出術があり、帝王切開術を行った、または筋腫核出術を行ったことで子宮創部の瘢痕CG-305子宮手術既往経腟分娩をしてはいけない?三重大学大学院医学系研究科産科婦人科 真木晋太郎 まき しんたろう子宮手術既往と子宮破裂分娩管理のギモン子宮破裂 手術時の所見図1

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