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ペリネイタルケア 2018年 夏季増刊137CG-305子宮手術既往 経腟分娩をしてはいけない?第2部 分娩中のクリニカル・ギモン分娩管理のギモン部分が弱くなり、陣痛などのストレスにより破裂が起こりやすくなります。子宮切開法と子宮破裂のリスクを表1に示します。●TOLAC 帝王切開術を受けたことがある場合には、子宮破裂のリスクがあることから次の妊娠時の分娩は帝王切開術となることが一般的です。TトーラックOLACとはtrial of labor after cesarean deliveryの略で、帝王切開術を受けたことがある妊婦が経腟分娩にトライすることを意味します。それが成功した結果を、VブイバックBAC(vaginal birth after cesarean deliveryの略)といいます。『産婦人科診療ガイドライン:産科編2017』では、表2に示すような条件の下、TOLACを行ってもよいとしています2)。 帝王切開術を複数回行うことは、子宮摘出、出血などの母体合併症や、その後の妊娠における前置胎盤や癒着胎盤の発生を増加させるといわれています3)。近年、世界では帝王切開術での分娩が増加していますが(日本では1990年と比較して約2倍に増えています4))、TOLACはその傾向に歯止めを掛けるのに有用だと考えられています。また、医療経済的な面からも、帝王切開術を減らすことは重要です。 しかし、TOLACでは子宮破裂の頻度が比較的高く(0.2〜0.7%)5, 6)、発症し子宮手術既往の妊婦 経腟分娩をしてはいけない?Answer 1TOLACには利点がないわけではない子宮切開法と子宮破裂のリスク表1子宮切開法子宮破裂発症率・古典的切開・T字切開・子宮下部縦切開・1回の子宮下部横切開・複数回の子宮下部横切開・子宮破裂の既往 子宮下部 子宮底部2〜9%4〜9%1〜7%0.2〜0.9%0.9〜1.8%2〜6% 9〜32%TOLACが可能な条件表21)児頭骨盤不均衡がないと判断される。2) 緊急帝王切開術および子宮破裂に対する緊急手術が可能である。3)既往帝王切開術回数が1回である。4) 既往帝王切開術式が子宮下節横切開で、術後経過が良好であった。5) 子宮体部筋層まで達する手術既往あるいは子宮破裂の既往がない。6)安全性の確保が十分であると医療者が判断できる。(文献2より引用改変)
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