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聖マリアンナ医科大学産婦人科学 准教授長谷川 潤一はせじゅんこと 医学はどんどん進歩します。産科学はいまだ古いところもありますが、新しい考え方がたくさん入ってきて複雑多岐にわたっています。私が入局した当時には当たり前にやっていたのに、今はやってはいけないことになっているものもあるぐらいです。 なぜ、そのようなことになるのでしょうか? それは、そっちにした方が良いことが明らかになったとか、全く効果がないことが明らかになったとか、さまざまな研究結果がどんどん出てくるからです。また、新生児医療や麻酔・救急医療の発展、考え方の変化の影響なども受けるものです。 私たち医療に携わる者は常に、なるべく新しくて、より良い考え方、手段で患者さんに接していなければなりません。実際の医療現場では、先輩の経験則でいけるところもたくさんありますが、アップデートされていない先輩の教えは必ずしも正しくないかもしれません。 自分の職場で当たり前にやっていることが、この前の学会で聞いた話とちょっと違うぞ? とか、先輩の言っていることは本当か? というふうに疑問を持つことはありませんか? しかしそう思っても、自分でそれを調査・検証し、本当のところにたどり着くのはなかなか難しいですよね。 そこで本書では、そんな、誰にも聞けない臨床現場でのギモン(Clinical Gimon)を集め、最新の正答を、それぞれのエキスパートの先生方に分かりやすく解説してもらうこととしました。若手助産師の皆さんの参考書としてはもちろんのこと、ベテランの先輩方にもこっそり勉強していただき、後輩助産師に響く指導の虎の巻として日常臨床に役立てていただければ嬉しく思います。

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