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使用方法 ブロモクリプチン2.5mg錠を1日2回、14日間内服する。頻度は少ないが、内服終了後に乳汁分泌が再開してしまった場合は7日間の追加投与を行う。うっ滞性乳腺炎で臨床症状が強い場合などに、冷罨法などと併用して一時的にパーロデルⓇを使用することもあったが、現在は基本的に推奨されていない4)。 カベルゴリンと同様に麦角アルカロイドであり、麦角製剤に過敏症のある患者、心臓弁膜症やその既往がある患者には投与しない。また高血圧がある患者への投与も痙攣や脳血管障害、心臓発作を起こす可能性があるため投与しない。カベルゴリンに比べ副作用の発現が多く、悪心、嘔吐、めまい、立ちくらみ、便秘などの発現に注意する。使用上の注意点適 応:末端肥大症、下垂体性巨人症、乳汁漏出症、産褥性乳汁分泌抑制、高プロラクチン血性排卵障害、高プロラクチン血性下垂体腺腫、パーキンソン症候群商品名:パーロデルⓇ、ブロモクリプチン、パドパリンⓇ、アップノールⓇ剤 型:錠剤(0.25mg)パーキンソン病の症状も抑えるけど、母乳分泌も抑えるよ!乳汁分泌抑制代表的な商品名:パーロデルⓇ一般名:ブロモクリプチンメシル酸塩執筆:青木宏明解説は147ページを参照文献は148ページを参照 現在では基本的に乳汁分泌抑制にはカベルゴリンが用いられ、ブロモクリプチンを使用する機会は少ない。ブロモクリプチンを使用する際は、悪心・嘔吐などの副作用の発現が比較的多いため、それらの症状の発現に注意する必要がある。使用方法 出産前からの服用では同量を継続する。安定した状態が続いており、目立ったストレス要因がなければ減量を試みてもよい。初めて使用する場合は初期用量25mg/日から開始し、効果や副作用の経過を見ながら最大100mg/日まで漸増する。すぐには効果が現れないため、効き目がないからといって中止してしまわないよう、事前の説明が大切である。 うつ病やパニック障害は本人にとって強い苦痛となり、日常生活や育児などにも支障を来す重大な精神障害である。「本人のやる気次第」「お母さんなんだから頑張れる」といった精神論で乗り切れるものではなく、適切な薬物療法は不可欠。ただし、環境要因などをよく見極め、最小限の薬物使用を心がけることが大切である。継続的な服用が基本であり、授乳中だからといってむやみに中止したり不規則な服用にしたりはしないこと。使用上の注意点適 応:うつ病・うつ状態、パニック障害、外傷後ストレス障害商品名:ジェイゾロフトⓇ、セルトラリン剤 型:錠剤(25mg、50mg、100mg)、口腔内崩壊錠(25mg、50mg、100mg)セロトニン不足により落ち込んだ気持ちを持ち上げる産後うつ病、その他の精神障害・向精神薬代表的な商品名:ジェイゾロフトⓇ一般名:塩酸セルトラリン執筆:安田貴昭 抗うつ薬は再発や再燃を予防するという意味でも重要な薬剤である。安心して育児に向き合えるために抗うつ薬を続けることの利点は大きく、授乳に関するリスクもそれほど高くない。服薬と母乳育児は十分に両立しうるのであり、諦めてしまう前に主治医とよく相談してほしい。解説は149ページを参照文献は151ページを参照ペリネイタルケア 2019 新春増刊 233第2部くすりカタログ第3章産褥期のくすり乳腺炎/乳汁分泌抑制/産後うつ病、その他の精神障害・向精神薬

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