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助産師へのアドバイスその先に起こりそうな回旋異常を予測し、先回りする 分娩開始の時点で、分娩の3要素のうち娩出物と産道の評価はしっかりと終わらせておかなければなりません。事前情報なしに分娩管理を行うことがあってはならず、しっかりと外来カルテの情報を収集し、分娩がスムーズに行きそうかどうかを評価し、管理することが重要です。 陣痛開始後は娩出力(=陣痛)が有効であることに注意を払い、必要に応じて促進を考えます。分娩開始前には胎児の胎位胎勢を外来情報、レオポルド触診法、超音波により把握し、児頭が骨盤入口面に不正軸にならずに屈位を作って骨盤に進入するかどうかを確認しましょう。児がしっかり屈位を作り、骨盤誘導線に沿って骨盤に進入することができ、有効な陣痛があれば、その後はスムーズに回旋していくことが期待できます。 その後の進行が予想に反して悪い場合には、やみくもにオキシトシンを増量するのではなく、回旋異常を疑って内診、時には超音波機器を用いて診断を下し、必要な処置を行います。分娩は、うまくいくことを指をくわえて期待するものではありません。うまくいく分娩なのかどうかを、あらゆる情報、手段を用いて評価し、方針(経過観察なのか、医療介入なのか)を決定した結果、得られるものです。その先に起こりそうな回旋異常を予測し、先回りして産婦管理ができるようになると、もっと分娩は楽しくなるでしょう。引用・参考文献1)Cunningham,FG.et al eds.Williams Obstetrics.25th ed.New York,McGraw-Hill,2018,1328p.2)武谷雄二ほか編.プリンシプル産科婦人科学2産科編.第3版.東京,メジカルビュー,2014,828p.ペリネイタルケア 2019年 夏季増刊180

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