小指丘側から恥骨方向へ娩出力を妨げない程度に軽く圧迫する。左手は児頭の急激な娩出に対応できるように、母指、示指、中指を当て備える。4発 露(図3) 児の下降とともに伸展してくる会陰の様子から目を離さないようにし、右手は下降してくる児頭を把持するように母指と他の4指を広げ沿わせ、指尖が上向きになるように意識する。小指丘側から恥骨方向に圧迫をかけるが、娩出を妨げないよう児頭の下降を受け止める程度の圧迫とする。左手は指を広げ児頭に沿わせ、手根部は後頭結節に当て娩出力を受け止めながら児頭が屈位を保つように押し下げていく。このとき、児頭を産道へ押し込まないよう注意する。5児頭娩出(図4) 右手は小指丘で肛門を圧迫するようなイメージで、軽く圧を加えながら左手と同調させ、児頭がゆっくりと女性外陰部を通過できるよう助ける。このとき産婦には努責をかけさせない呼吸を誘導する。左手は娩出力を手のひら全体で受け止め、ゆっくりと娩出できるようにコントロールしながら、後頭結節が恥骨結合を通過するまで屈位を保ち、力の向きが下向きになるよう意識する。第3回旋は児頭を把持しているのみでてこの原理が起こるため、無理な力は入れなくてよい。第4回旋では右手は会陰保護を続け、左手は児の側頭部に当て自然な回旋を待ってもよいが、自然な回旋がない場合は胎位や胎向を考慮して回旋を誘導する。 会陰保護では、児頭が娩出された後、体幹を娩出するまで気を抜かないで介助しなければならない。肩甲娩出では、把持した両上腕を胸部に寄せるようなイメージで背中を丸めることで肩甲の最小周囲径が保たれ、肩甲による会陰裂傷を防ぐことができる。ここに気を付けて!図3図4ペリネイタルケア 2020年 新春増刊48
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