4児娩出 破膜後(図4a)、経腟分娩と同様に児を娩出させる。頭位であればまず児頭を娩出させ(このときの術者の右手は、経腟分娩では骨盤誘導線の後壁であることをイメージする)(図4b)、次いで前在肩甲、後在肩甲の順で肩を娩出し(図4c)、体幹を娩出させながら児全体を娩出させる(図4d)。この一連の動作は経腟分娩と何ら変わることがなく、骨盤位であれば、別項の「19 特殊な分娩①骨盤位娩出術」をイメージし、児の娩出を行う。 その後、臍帯を結紮し胎盤を娩出させる。臍帯を軽く牽引し、子宮を収縮させながら胎盤を娩出させると出血が少なくなることも経腟分娩と同様である。児娩出:破膜〜児娩出図4ⓓⓐⓑⓒ 帝王切開術が始まったら、児の娩出まではあっという間である。本当に急ぐ場合は皮膚切開から児の娩出までは1〜2分である。児を受ける準備を早めにしておかないと焦ってしまうので、時間配分を間違えないようにする! 術者(助手や機械出し看護師も含めて)や術野は当然清潔である。助産師が児受けのときに清潔野を不潔にしないよう、細心の注意を払う。先輩助産師直伝のコツペリネイタルケア 2020年 新春増刊130
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