るとよい。4)骨盤出口部が狭く、児頭下降や肩甲娩出が困難な場合は、McRoberts法(図1)を促す。5)急速遂娩の場合は、医師が鉗子もしくは吸引で児を骨盤誘導線に牽引しやすいような分娩台の角度や高さに調整し、McRoberts法を併用するか否かを確認する必要がある。2分娩時の体位変換1)上向きでの分娩は、仰臥位低血圧症候群に気を付ける。一時的な左側臥位への体位変換、子宮を産婦の左側へずらす、分娩台の角度を増すなどを促す。2)胎児心拍数波形レベル2から3を繰り返す場合は、急速遂娩も念頭に置きつつ、別の体位へ変換する。3)胎児心拍が良好であり、同一体位で児頭下降不良が起こる場合は、完全に分娩停止してしまう前に別の体位へ変換する。その際には、なぜ児頭下降不良が起こってい McRoberts法(図1)は、大腿部を腹側部に沿わせて膝を肩に近づけることにより、恥骨結合を頭側に回旋させる手技である。McRoberts法の適切な体勢が取れているかどうかは、McRoberts法実施前よりも、恥骨下端の位置が上方を向いているか確認する必要がある。先輩助産師直伝のコツ 体位変換すると、児の心臓の向きや子宮底部の位置も変わる。体位変換したら、再度、胎児心拍を最も聴取しやすい部位、子宮底部を確認し、超音波および陣痛トランスデューサの位置を変更する。ここに気を付けて! 児頭と体幹が正軸で骨盤に嵌入し回旋してくると、産婦のお腹が正中に位置する。児頭回旋だけではなく、産婦の腹部の偏りも確認するとよい。腹部に左右偏りのある場合は、偏りのある側を上側にした側臥位へ体位変換するとよい。先輩助産師直伝のコツMcRoberts法図1実施前実施後ペリネイタルケア 2020年 新春増刊43第2章 分娩期8分娩第2期の介助(分娩体位の援助、分娩時の体位変換、産痛緩和)基本
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