はじめに 妊娠に伴って乳輪の黒ずみや、乳頭が変形することは、児が母親の乳頭を認識し吸うための準備の1つである。乳輪・乳頭の解剖生理、関連するホルモンについての知識は妊産婦への説明時に必要である。乳頭・乳輪とモントゴメリー腺1) 乳輪内にはモントゴメリー腺(乳輪腺ともいう、図12))がある。モントゴメリー腺は乳腺と同様の分泌組織から成り立っているため、時々母乳が分泌される。 モントゴメリー腺からの分泌物には乳頭潤滑作用と抗菌作用があるといわれているが、科学的な根拠はない。 モントゴメリー腺の分泌物の匂いは児を引き寄せるフェロモン効果があると推測されている。肌と肌とを合わせていると、児が自ら乳頭を捉えようと動く。そのときにこのフェロモンがあるため、児は乳頭に到着できる。児を乳頭に誘導する際には、先に母乳を搾ってみるのもよい。前・愛仁会高槻病院総合周産期母子医療センター 産科病棟 副主任、助産師菅家由紀子すが ゆきこ乳輪が黒ずんできました。また乳頭の形も変わり、張った感じがします。OO個人差はありますが、乳房の組織は妊娠期・授乳期に著しく変化します。乳輪は、乳頭を取り巻く色素が豊富なところです。直接授乳を行うための準備として乳輪・乳頭は変化しています。乳輪・乳頭は妊娠中に誰もが変化するため仕方ありません。❸ 妊娠中の乳房の変化第1章妊娠初期ペリネイタルケア 2020年 夏季増刊 39妊娠初期第1章❸❸❸❸❸❸❸❸❸❸❸
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