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分娩の遷延 『産科婦人科用語集・用語解説集』(日本産科婦人科学会編、改訂第4版)には、「難産」という言葉は定義されていない。一般的に難産とは「分娩の進行が異常に遅い状態」、つまり遷延分娩を指していることが多いと思われる。従って本稿では遷延分娩の予防について記す。 分娩が遷延する原因を考えるときに、分娩の3要素(娩出力:Power、娩出物:Passenger、産道:Pelvis)の3Pに加えて、母体:Patient、精神状態:Psyche、医療従事者:Providerを加えた6Pの管理とコントロールが重要とされる(表1)。以下は、分娩の3要素の3Pに分け、それぞれにほかの3Pの関わりも含めて解説する。愛仁会千船病院産婦人科 地域周産期母子医療センター長岡田十三おかだ じゅうぞう難産は予防できますか?OO子宮口開大6cmまでの潜伏期は、自由に過ごしましょう。分娩中はできるだけリラックスして臨みましょう。妊娠中から分娩について医師や助産師に相談し、分娩に対する不安をなくしておきましょう。妊娠前の体重コントロールが重要です。分娩にかかる時間は人それぞれなので、焦らず分娩に臨みましょう。お母さんが最後まで頑張ることができれば、難産になりませんよ。難産になるかどうかは、お母さん次第ですよ。赤ちゃんが大きくなり過ぎないうちに、分娩誘発した方が良いです。 難産予防第2章妊娠中・末期ペリネイタルケア 2020年 夏季増刊 159妊娠中・末期第2章 難産予防

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