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娩出力の異常に対する予防1 潜伏期からの入院管理をしない 子宮口開大曲線として、従来からFriedman曲線が用いられ、潜伏期は子宮口開大4cmまでとされていたが、実際の日常臨床においてはもっと緩徐に進むと感じている周産期医療従事者も多いであろう。米国で公表されたACOG/SMFM(米国産婦人科学会/母体胎児医学会)コンセンサス(2014)では、子宮口開大6cmまでを潜伏期とし、この期間は分娩進行が緩徐であっても母児に問題がない限り病的意義が少なく、できるだけ待機管理をするのがよいとされている(図1)1)。そもそも潜伏期は分娩進行が緩徐な時期であり、この段階では産婦がリラックスして自由に動ける環境で過ごすのがよく、早過ぎる入院や硬膜外麻酔表1 難産に関わる6P⃝娩出力(Power)⃝娩出物(Passenger)⃝産道(Pelvis)⃝母体(Patient)⃝精神状態(Psyche)⃝医療従事者(Provider)分娩の3要素P2+P1P0所要時間01234567109876543(時間)(cm)子宮口開大度P0:初産婦、P1:1回経産婦、P2+:2回以上の経産婦図1 新しい子宮口開大曲線子宮口開大4cmでは分娩進行は緩徐で、子宮口開大6cm以上で急速になる。(文献1より作成)160 ペリネイタルケア 2020年 夏季増刊

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