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発刊にあたって 本増刊は、好評だったペリネイタルケア2007年新春増刊(監修:植田充治・聖バルナバ病院院長[現・名誉院長])の構成を参考にしていますが、執筆者をほぼ一新し、内容も一からあらためてご執筆いただきました。最大の変更点として、当時は『産婦人科診療ガイドライン:産科編』のない時代でしたが、今回はガイドラインがありますので最新の産科編2020の内容を大きく反映し、ある程度のエビデンスや一般的なコンセンサスを含んだ内容を記載しました。オールカラーとし、ビジュアル面もより充実させています。 かつては保健指導というと厳しめの、どちらかというと妊産婦さんの行動を厳しく制限するものが多かったと思います。現在は喫煙・飲酒などを除けば、何もかも絶対ダメ!ではなく、「こんないいことがあるよ」「こんな問題点があるよ」と正しく提示し、悩める妊産婦さんの選択の助けとなるような保健指導を行うのが望ましい姿とされてきていると考えます。本増刊はその視点を最大限重視したテキストとなっています。内容はあくまで分かりやすく、そのまま話してもあらゆる層の妊産婦さんに理解してもらえるような表現にまとめています。 妊娠各期と産後のお母さんの質問と助産師による回答のポイント、エビデンスベースの解説、最新トピックスで構成しています。また、特別企画として新生児をテーマにしたミニブック「新生児 お悩み解決Q&Aミニブック ~お母さんから信頼されるBestアンサーができる!」 を、日頃お世話になっている淀川キリスト教病院小児科・佐野博之主任部長にご監修いただきました。大変有用な冊子になっていると思います。 保健指導ほど、時代につれて変化するものはありません。一方でその指導法は十分に時代に合わせた教育がされてきたとはいえず、各施設が手探りでその方法を模索してきた実状があります。今回の執筆者の皆さんには各施設の真髄を十分に盛り込んだ内容を記載いただきました。本書が現代の医療水準を正しく反映しつつ、助産師がより妊産婦さんの気持ちに寄り添うことができるようにコミュニケーションスキルを磨く一助となれば幸いです。奈良県立医科大学産婦人科講師成瀨勝彦

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