はじめに 当院の助産師外来では、分娩・育児を見据えて健康な妊娠期を送ることが重要と考えており、妊婦自身にもそれを意識して過ごしてもらうことを目的として、妊婦とその家族に、妊娠初期・中期・末期・妊娠37週に保健指導を行っている。また、妊婦やその家族の状況に応じ保健指導回数を増やす、個別でマザークラスを実施するといった対応をしている。妊娠初期(妊娠10週以降) この時期は妊娠に伴う身体的・精神的な変動が生じやすい時期であり、その個人差も大きい。さまざまな情報があふれている中、正しい知識を持って過ごせるよう、当院では冊子『MOTHER & BABY BOOK』(図1)を製作し全妊婦に配布している。妊娠期から1歳ごろまでの育児に関する情報を盛り込み、保健指導や教室で使用している。そのほか、母子健康手帳の活用や感染症予防に関する内容を指導している。母子健康手帳は交付後に内容を確認しない妊婦が多く、必ず一読することや記入すべき項目、外出時は携帯することを伝えている。 また、社会的ハイリスク妊娠の増加に伴い、妊娠初期より信頼関係を構築し継続した支援を行うこと、地域との連携を図ることに重点を置き、フェイスシート(図2)を用いてリスクスクリーニングを行っている。この際、妊婦が本心で質問に回答し、助産師と話ができるよう、個室で妊婦のみの入室とし環境に配慮している。ここでリスクがあると判断した場合、ケースに応じてプライマリー助産師による面談や地域との連携などを実施している。また、妊娠中期以降の助産師外来も行い、診察室でも妊婦の訴えや助産師の“少し気になる”という気付きがあれば随時面談を行い支援している。聖バルナバ病院看護部 師長大西幸恵おおにし さちえ保健指導の時期と方法とはOO第2章図1 MOTHER & BABY BOOK16 ペリネイタルケア 2020年 夏季増刊
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