16ペリネイタルケア 2021年 新春増刊DOHaD説最近、新たな概念としてDOHaD(developmental origin of health and disease)説が提唱されている。受精前から胎児期、出生後の数年間を含める人生初期が疾病発症に重要であるという考え方であり、母体栄養失調などによる出生体重の低下が虚血性心疾患のリスクを上昇させることや、成人期の糖尿病発症に関与する報告がされている。また、妊娠中の肥満や急激な体重増加によって母体のインスリン抵抗性が増加し、出生児は肥満や生活習慣病のハイリスクとなることが報告されている7)。最新エビデンス体重増加の推奨値(a)厚生労働省「健やか親子21(2006年)」BMI <18.5(やせ):9〜12kgBMI 18.5〜25(普通):7〜12kgBMI >25(肥満):個別対応(5kg程度が一応の目安)日本肥満学会「肥満症診断基準 2011」(2011年)BMI <18.5(やせ):9〜12kgBMI 18.5〜25(普通):7〜12kgBMI >25(肥満):個別対応(5kg程度が一応の目安)米国 Institute of Medicine(IOM)(2009年)BMI <18.5(やせ):12.7〜18.1kgBMI 18.5〜25(普通):11.3〜15.9kgBMI 25〜30(overweight)(b):6.8〜11.3kgBMI ≧30(肥満):5.0〜9.1kg表2妊娠中体重増加量の推奨値(a):自己申告による妊娠前の体重をもとに算定したBMIを用いる。(b):BMI 25〜30は米国ではoverweightであり、BMI30以上から肥満となる。 (文献6より引用)妊娠前BMI と推奨体重増加量ガイドライン:産科編2020では、BMI 18.5未満をやせとしており、やせ女性では切迫早産、早産、貧血および低出生体重児分娩のリスクが高いとされている。一方、肥満はBMI 25以上としており、肥満女性では妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、帝王切開分娩、巨問題❺正解Ⓓ妊娠前BMI 30の妊婦に対し、推奨体重増加量は10~12㎏であると説明する →5kg程度大児のリスクが高いとされている。また、妊娠中の体重増加の推奨値は妊娠前BMIによって異なり、厚生労働省および日本肥満学会はBMI>25では5kg程度の増加を一応の目安としており(表2)6)、Ⓓの10~12kg増加は多い(CQ010を参照)。
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