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概 況2014年度厚生労働省発表の患者調査の概況によると、脳血管疾患の総患者数は約118万人で、2011年の調査よりも約6万人減少しています1)。脳卒中によって死亡する患者は減少しましたが、依然として介護が必要となる原因疾患の第1位であり、後遺症を残して生活する患者が多いのが現状です。脳卒中のなかで脳出血患者の割合は18.5%であり2)、1960年前後をピークに減少し、1990年からは大きく変化せずに経過しています。脳出血患者が減少した要因は、高血圧症の内服治療の進歩が影響していると考えられています。しかし、日本人の脳卒中に占める脳出血の割合は、欧米の2〜3倍と高いままです。また、脳出血罹患率は50〜70歳代で減少していますが、80歳以上では増加しています。原 因脳出血とは、脳の中の血管が何らかの原因で破れて、脳内に出血した状態を言います。脳出血の原因には、“外傷性”と“非外傷性”があります。“非外傷性脳出血”の多くは、高血圧により動脈硬化で脆もろくなった穿通動脈に圧が加わり、微小動脈瘤を形成し、破は綻たんすることにより起こる高血圧性脳出血で、脳出血全体の82%を占めています2)。高血圧性脳出血と同様に、小血管病変によって起こる脳出血には、高齢者に多い脳アミロイドアンギオパチー(cerebral amyloid angiopathy:CAA)が原因で起こる脳出血があります。ほかには、若年者に多い脳動静脈奇形(arteriovenous malformation:AVM)や、脳腫瘍からの出血、出血性脳梗塞などの二次性出血もあります。8BRAIN NURSING 2017 春季増刊脳出血ってどんな病気?A脳出血徳島大学大学院医歯薬学研究部保健科学部門看護学系療養回復ケア看護学分野助教日坂ゆかり ひさか・ゆかり1脳血管障害1章
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