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BRAIN NURSING 2017年夏季増刊 1013Chapter脳腫瘍2症状・合併症 教科書での記載は「成人で1日尿量3,000mL以上、比重1.005以下」ですが、これは慢性期の尿崩症の定義です。脳神経外科の術後では時間とともに変化するため、さらに細かい、短時間での対応が必要です。 術後急性期では、尿崩症を「尿量400mL以上/2hでかつ尿比重1.005以下」と定義しています。尿崩症とは、中枢性のバソプレシン(抗利尿ホルモン)分泌不全、または腎性の反応性低下により水の再吸収能低下をきたし、多尿となる病態のことです。下垂体腫瘍術後、頭蓋咽頭腫、鞍あん上じょう部ぶ胚はい細さい胞ぼう腫しゅの開頭術後などに見られることがあります。 (森田健一)引用・参考文献1)南山堂医学大辞典.第19版豪華版.東京,南山堂,2006.78. 尿にょう崩ほう症しょう【関連ワード】下垂体腺腫、電解質異常【正常】・下垂体後葉で 抗利尿ホルモン分泌・尿細管で水を取り込む【脳下垂体近傍の手術後】・下垂体後葉からの 抗利尿ホルモン分泌↓・尿細管で水を取り込めない・多量の薄い尿・頻尿
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