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BRAIN NURSING 2017年夏季増刊 312Chapter脳血管障害1疾患 くも膜下出血とは、脳の表面を覆う膜の1つである“くも膜”の下に出血した状態を言います。原因は、脳の血管の膨らみである「脳動脈瘤」の破裂によることがほとんどで、とつぜんの激しい頭痛、嘔吐で発症し、時に意識障害を呈します。そのほかの原因としては、脳のう動どう静じょう脈みゃく奇き形けい、もやもや病、脳動脈解離などがあります。 死亡率は40%程度と高く、好発年齢は40〜50歳代で女性に多いといわれています。 脳動脈瘤からの再出血をただちに予防するために、頭を開けて行う開頭クリッピング術、またはカテーテルを用いて行うコイル塞栓術が行われます。 くも膜下出血は、手術のあとも、2週間以内は脳のう血けっ管かん攣れん縮しゅく(くも膜下腔の血腫が脳血管を刺激して内腔が縮んでしまい脳梗塞が起こる)や、1カ月程度は水頭症(脳脊髄液の吸収障害)の出現に注意が必要です。 (大西宏之)17. くも膜まく下か出しゅっ血けつ【関連ワード】 未破裂脳動脈瘤、頭痛、悪心・嘔吐、急性期意識障害、脳動静脈奇形、 もやもや病、脳血管攣縮(スパズム)【開頭クリッピング術】マイクロカテーテルコイル【コイル塞栓術】クリップおもに脳動脈瘤の破裂が原因で、脳の表面のくも膜下腔に出血する脳動脈瘤【くも膜下出血】

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