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BRAIN NURSING 2017年夏季増刊 372Chapter脳血管障害1疾患 梗こう塞そく巣そうの形態や分布から塞栓症が疑われるが、近位動脈の狭窄や塞栓原性心疾患がなく、各種検査を行ってもその塞栓源が不明のものを、塞そく栓せん源げん不ふ明めい脳のう塞そく栓せん症しょう(embolic stroke of undetermined source:ESUS)と総称することとしました。 脳梗塞の20〜30%を占めるとされ、原因が不明なだけに再発予防の治療にも一定の見解はありません。 やみくもに強い抗血栓療法を行うと、出血性合併症の懸け念ねんもありますが、長期間のフォローで発作性心房細動が発見され、後に心原性脳塞栓症だとわかることも多くあるので、抗血小板治療と抗凝固治療のどちらを主体にするべきか悩ましいところです。2017年現在、この両者を比較する臨床試験が進行中です。 (武信洋平)23. EイーサスSUS
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