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20BRAIN NURSING 2018春季増刊ありません。しばらく血液が流れていなかった血管に再び勢いよく血液が流れ込むことによって、血管が破れて出血してしまいます。このことを「出血性梗塞」とよび、重い症状を引き起こします。2~5日目と2~4週目に起こりやすいといわれており、注意が必要です。 2つ目は、「脳浮腫」です。血流が途絶えたことにより脳細胞は死んでしまいます。そうすると細胞のむくみ、いわゆる浮ふ腫しゅが起こります。その予防のために抗浮腫薬が投与されます。この抗浮腫薬は塩分が多く含まれており、浸透圧によって水を血管の中に引き込み、尿として排出します。そのため、心臓への負担が生じます。もともと心房細動など心臓疾患をかかえている状態ですから、心不全になる危険性がありますので、心不全のサインも見逃してはいけません。 MRI(磁気共鳴画像)とは、磁場を発生させることによって得られる信号によって画像をつくる方法です。いくつかの撮像法があり、画像にいろいろな名前がついています。急性期脳梗塞は、DWI(拡散強調像)で白く光るように写し出されます。また、脳血管の閉塞や狭窄も確認できます(図6)。脳梗塞発症直後は、血流を維持するために血圧は高めに保ちます。収縮期血圧が220mmHgを超えた場合、または、拡張期血圧が120mmHgを超える状態が続く場合に、慎重に血圧を下げます。グッと解説発症直後の血圧管理質問006 脳梗塞の患者さんは必ずといっていいほどMRIを撮りますが、なぜですか?アンサー006 脳梗塞を起こした直後は、CT では梗塞巣は写りませんが、MRI は早期から梗塞巣が写ります。さらに、脳血管の状態も確認できますので、脳梗塞の診断・治療には欠かせない検査になっています。

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