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21疾患と看護の質問 1 脳梗塞1章BRAIN NURSING 2018春季増刊 アルテプラーゼ(rt-PA)は、脳血管に詰まった血栓を溶かす強力な薬剤であるため、出血を起こす可能性もあり、投与するにあたってはさまざまな約束事があります(表2)。詳しくは日本脳卒中学会が発表している『rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法適正治療指針第二版』で確認してください2)。質問007 rt-PAとはなんでしょうか?アンサー007 rt-PA とはアルテプラーゼという薬剤の名前で、血栓を溶かす薬のことです。このアルテプラーゼを静脈注射して行う治療のことを、rt-PA 静注療法といいます。図6 脳梗塞 MRI 画像a:拡散強調像(DWI)。b:脳血管。血管には閉塞、狭窄はない。脳梗塞前大脳動脈中大脳動脈内頚動脈脳底動脈椎骨動脈ab項 目内 容使用量・体重1kgあたりアルテプラーゼ0.6mg(例:体重50kg→アルテプラーゼ30mg)治療開始可能時間発症から4.5時間以内・発症時間は、最後に異常がないことが確認されている時間(最終健常確認時間)。例えば、昨夜寝るときには異常がなかったが、朝起きたときに麻痺を認めた場合、寝る前に様子を確認した時間が発症時間になる治療の適応・すべての脳梗塞患者が適応になるが、次の項目に1つでも当てはまれば使用は勧められない①発症後4.5時間を超える場合②非外傷性頭蓋内出血の既往がある場合③胸部大動脈解離が強く疑われる場合④CT、MRIで広範囲な脳梗塞の存在を認める場合実施施設CTまたはMRIが24時間実施可能表 2 rt-PA 適正使用のための条件(文献2を参考に作成)

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