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ブレインナーシング 2018年 夏季増刊152章1急性期広範囲大脳半球脳梗塞患者への看護脳梗塞を発症した患者には、発症直後はrt-PAや血栓回収療法などの血管内治療によって閉塞した血管の再開通を図り、虚血ペナンブラが脳梗塞にならないように可能な限り治療を行います。さらに、脳梗塞の拡大と新たな脳梗塞の予防のために血液が固まりにくくなる薬物治療が行われます。看護師も脳血流を低下させないように、脱水や急激な血圧低下を起こさないように注意して日常生活の援助を行うことが重要です。また、神経徴候の進行や悪化時に発見が遅れないようにし、認められたときは、すみやかに検査や治療を受けることができるように医師に報告することも重要です。バイタルサイン:血圧、脈拍、心電図、呼吸数、呼吸パターン、SpO2、体温神経徴候:意識レベル、運動麻痺、感覚障害、構音障害、視野障害、失語、半側空間無視、失調、瞳孔、眼球運動、けいれん、異常肢位頭蓋内圧亢進の自覚症状:頭痛、悪心、嘔吐水分出納バランス:尿量、輸液量、経口摂取量、経管栄養量血液データ:電解質(Na、Kなど)、血液凝固(aPTT、PT-INRなど)検査所見:頭部CT・MRI、MRA、CTA、胸部X線撮影、心エコー検査、頚部エコー検査、脳血管撮影、SPECT出血傾向の有無:皮下出血、内出血、血尿、歯肉出血、血便など医師の指示範囲内での血圧管理を行い、急激な血圧低下は避ける不整脈出現時はすみやかに医師に報告する座位など離床を進めるときは前後に血圧測定を行い、血圧低下に注意しながら行う神経徴候の悪化時にはすぐに医師に報告する脳血流量を維持し、さらなる脳梗塞を起こさない看護目標脳血流低下に関連した非効果的 脳組織循環リスク状態#2アセスメントのポイントOPTP
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