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ブレインナーシング 2018年 夏季増刊16体液バランスに注意し、過度にマイナスとなる場合は医師に報告する患者の理解できる能力に合わせて、血圧低下や脱水が脳血流を低下させることを説明し、活動できる範囲や飲水の必要性を説明する患者の理解できる能力に合わせて、どのような症状が出現もしくは悪化したらすぐに看護師に伝えるか、またなぜ伝える必要があるのか説明する家族にも患者への説明と同様の内容を説明する患者がすぐには理解できない場合は、繰り返し説明する広範囲大脳半球脳梗塞を発症した患者は、意識障害によって食べ物の認識・口腔内への取り込み・飲み込みができないことがあります。さらに大脳半球障害に関連して偽性(仮性)球麻痺による嚥下障害が起こります(以前は両側性の障害のときにのみ起こるとされていましたが、最近では片側性の大脳病変でも嚥下障害が起こることがわかってきました)。大脳半球の障害によって起こる嚥下障害は一過性である場合が多く、経口摂取が可能となる可能性が高いです。すぐには経口摂取を行うことができない患者にも、可能な限り早期から点滴だけでなく経鼻胃管により栄養摂取することが推奨されています。経管栄養を行いながらも早期より嚥下評価を行い、誤嚥に注意しながら経口摂取できるように援助することが必要です。さらに広範囲大脳半球脳梗塞患者は、臥床した姿勢で過ごすことが多いこと、咳嗽反射が弱くなること、口腔内を自己にて清潔に保つことができないことにより、無意識のうちに唾液が気管内に流入してしまう不顕性誤嚥も起こしやすいです。誤嚥性肺炎を合併すると全身状態の悪化だけでなく、経口摂取確立に向けてのリハビリテーションの遅れも引き起こします。EP誤嚥性肺炎を起こさずに経口摂取ができる看護目標意識障害や嚥下障害に関連した 誤嚥のリスク状態#3アセスメントのポイントとくに脱水に注意する場面〇 点滴量が減量や中止となったとき〇 経管栄養から経口摂取に変更となったとき〇 食欲が低下し経口摂取量が減ったとき〇発熱などで発汗が多いとき
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