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監修のことば2 脳卒中をはじめとした脳神経疾患を発症した患者は、多くの場合、何かしらの障害を抱えて退院します。ことに発症時早期からの患者ケアの質によって予後は大きく変わるため、急性期の脳神経領域に勤務する看護師が担う役割は重要です。「ブレインナーシング」をはじめ、多くの雑誌や書籍において、体位変換などの脳神経看護技術は解説されています。しかし、その手順や方法について書かれてはいるものの、「なぜそのような手技で行うのか」については、明確に示しているものは見当たりません。それは「なぜ」について明確な根拠がある場合ばかりではないことも理由の一つです。ただ、看護師にとっては、現在実施しているケアや手技が、目の前の患者にとってベストな方法なのかどうか、日々自問自答していると思います。 そこで、その判断の一助となるよう、本増刊では脳神経が障害されたとき、からだはどのようになっているのか、それぞれの機能を解説しています。臥床を続けたらなぜだめなのか、食事介助の方法ではなぜスプーンを下から持っていくのかなど、からだのしくみとはたらきがわかれば、自信を持ってケアや手技を行うことができると思います。本書でからだのしくみとはたらきをしっかりと理解していただき、日々のケアの向上につながることを祈念します。岩手医科大学脳神経外科教授 小笠原邦昭

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