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3 少子高齢化の問題は以前から言われてきたことですが、最近とくに現実味を帯びてきました。したがって、リハビリテーション医学はとても重要なのですが、残念ながら、リハビリテーション科は19領域の診療科の一つでありながら、リハビリテーション科医の数は非常に少ないのが現状です。臨床・研究・教育を行う講座が、全国の医学部のなかで3分の1に満たないことも、その原因の一つです。 私事ですが、1990年に大学を卒業し、1992年から2年間、県立の看護学校のリハビリテーション看護の授業を、7コマ担当していました。まったく人がいなかったからです。良いか悪いかわかりませんが、そのころは今のように教科書がたくさんあるわけでもなく、当時いちばん良かったと思ったテキスト『リハビリテーション看護学』を、一冊すべて覚えました。 医療はどんどん進んでいます。そのなかで、正しいリハビリテーション医療や治療を進めるには、正しい生理学の理解が必要です。そんなこともあって今回、私の監修した2章の執筆者は、おもに急性期リハビリテーション医療に携わり、日々難題に直面している若手のリハビリテーション科医に依頼しました。リハビリテーション科医や訓練士が患者さんにかかわる時間は、看護師さんに比べれば非常に短いものです。ちょっとした対応やポイントに注意を払うことで、素晴らしいリハビリテーション看護ができ、患者さんを診て看ることができるのではないかという思いをわれわれは抱いています。ぜひともこの本を、生きた実践的なエッセンスの詰まったバイブルとして使っていただければ幸いです。 最後に、このたびの監修・執筆の機会をくださいました岩手医科大学脳神経外科学講座の小笠原邦昭教授に感謝申し上げます。また、こちらの要望に応えるかたちで、多くの図を作成するなど多大なる尽力をしていただいた編集部の皆さまに感謝申し上げます。東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座主任教授 安保雅博

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