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ブレインナーシング 2019年 夏季増刊28急性期の脳出血では血圧を140mmHg未満に下げる 脳出血を発症したばかりの患者は、血圧が高値となっていると思います。しかし血圧が高値であっても、コミュニケーションが良好であり、表面上は問題ないと感じる看護師は少なくありません。急性期の脳出血ではなぜ血圧を下げなくてはいけないのでしょうか、またどこまで下げる必要があるのでしょうか。 脳出血発症直後の基本的な治療として、血圧の安定化が必要です。『脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017対応]』では、「脳出血急性期の血圧は、できるだけ早期に収縮期血圧140mmHg未満に降下させ、7日間維持することを考慮しても良い」1)とあります。また、140mmHg未満の降圧により、脳出血発症24時間後までの出血増大は有意に抑制され、3カ月後の死亡+重大な機能障害も抑制される傾向を認めた1)という試験結果も出ています。外科的治療の前にはさらに厳格な降圧を行う 脳出血発症により生命の危機状況に陥るときは、救命処置のための外科的治療が選択肢として挙げられます。開頭血腫除去術など外科的治療を要する場合は、術前までの出血増大の抑制、術後の再出血防止などの視点から、さらに厳格な降圧治療が必要となります。高血圧は脳卒中の最大の危険因子となるため、高血圧患者に対して降圧療法を実施すること、降圧目標として140/90mmHg未満で管理することが強く勧められています2)。 しかし脳出血は、超急性期・急性期・亜急性期といった時期や、患者の年齢・状態で降Q6急性期の脳出血患者の血圧は高いままではいけない?A脳出血による出血増大予防のため、血圧を下げる必要があります。

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