第1章疾患別のやってはいけない?2 脳出血のやってはいけない?ブレインナーシング 2019年 夏季増刊29圧目標に差が生じるので、時期・対象に応じて治療方法が異なります。『高血圧治療ガイドライン2014』より脳血管障害を合併する高血圧の治療について表1に一部抜粋しました。患者の状態や治療時期に応じた降圧管理を意識して、看護介入しましょう。まとめ▶脳出血発症直後は、降圧療法が血腫増大や再出血予防に効果的です▶脳卒中再発因子である高血圧の治療は年齢や時期で異なり、患者の状態に応じた降圧治療が必要です1)日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会編.“Ⅲ脳出血”.脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017].東京,協和企画,2017,145.2)“Ⅰ脳卒中一般”.前掲書1),24-5.3)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会.“第6章臓器障害を合併する高血圧”.高血圧治療ガイドライン2014.東京,ライフサイエンス出版,2014,59.●引用・参考文献降圧治療対象降圧目標超急性期発症24時間以内SBP>180mmHgまたはMBP130mmHgSBP>150~180mmHg前値の80%※SBP140mmHg程度急性期発症2週間以内SBP>180mmHgまたはMBP>130mmHgSBP>150~180mmHg前値の80%※SBP140mmHg程度亜急性期発症3~4週間以内SBP>180mmHg MBP>130mmHgSBP>150~180mmHg前値の80%SBP140mmHg程度慢性期発症1カ月以降SBP≧140mmHg<140/90mmHg(可能であれば130/80mmHgを目指す)表1 脳血管障害を合併する高血圧の治療(文献3より一部改変)※重症で頭蓋内圧亢進が予測される症例では血圧低下にともない脳灌流圧が低下し、症状悪化あるいは急性腎障害を併発する可能性があるので慎重に降圧する。
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