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ブレインナーシング 2019年 夏季増刊32ベッド上安静の定義は人によって異なる 脳出血発症直後は、出血の部位・大きさ・患者の状態にもよりますが、医師から「ベッド上安静」という指示が出ることが多くあります。また、ベッド上安静の指示ではなくても、安静時の収縮期血圧や拡張期血圧が高値であることにより、ベッドから離床できないこともあるのではないでしょうか。ひとことに「ベッド上安静」といっても、頭部を上げて良いのかいけないのか、どこまでなら動かして良いのかなど、安静の度合いや考え方が人によって異なります。「頭部常時30°挙上」など具体的に提示してくれる医師もいますが、全員がそうとは限りません。 皆さんは「脳出血だから頭を挙上しておきましょう」「血圧が高いから上半身を挙上しましょう」と、先輩看護師から言われたまま、言われたことを実施することがあるのではないでしょうか。では、なぜ脳出血患者はベッドを水平のままにせず、上半身を挙上したほうが良いのか、上半身を挙上することにより血圧はどのように変化するのか考えてみましょう。頭部挙上すると頭蓋内圧を低下させることができる ベッド上で上半身を30°挙上することにより頚静脈の流出が良くなり、全身の血圧低下をきたし頭蓋内圧を低下させることが考えられる1)ことが、上半身を挙上するおもな理由Q8脳出血発症時はベッドを水平にしてはいけない?A頭蓋内圧亢進予防のために頭部を30°挙上すると良いとされています。

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