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37BRAIN NURSING 2020年 春季増刊開頭手術とケアのポイントクリッピング術104chapter⁃頭痛、悪心の対応頭痛や悪心は未破裂脳動脈瘤クリッピング術後に多くの患者が訴える症状です。鎮痛薬や制吐薬で対応できることがほとんどですが、なかには頭蓋内圧亢進症状として頭痛や悪心を訴える場合があります。ほかの神経症状の有無や薬剤の効果を観察することが重要です。⁃創部の観察医師の包交時に同伴し、自分の目で創部を観察するようにしましょう。発熱や創部の発赤、腫脹、疼痛などが感染のサインになります。全抜糸が終わり洗髪後の創部の状態も観察し、感染や離開がないか、糸やステイプラーの針が残っていないか確認しましょう。⁃食事量の観察術後数日は頭痛や悪心、発熱のため経口摂取が進まないことがほとんどです。無理に経口摂取を勧めるのではなく補液を十分に行い、本人の嗜好に合った食べやすいものから徐々に促すようにすると自然に食事量も増えていきます。⁃離床の促進術後歩行が可能になった段階で離床を促します。とくに高齢者では、数日間ベッドに寝ているだけで身体機能、認知機能の低下につながります。未破裂脳動脈瘤ではリハビリテーションが介入していないことが多いため、自発的に離床してもらいましょう。破裂脳動脈瘤⁃各種ドレナージの目的破裂脳動脈瘤クリッピング術の術後には脳室ドレナージ、脳槽ドレナージ、腰椎ドレナージ、皮下ドレーンなどさまざまなドレーンが挿入されます。各種ドレナージの目的を表1に示します。まずはドレナージの目的をしっかり理解しましょう。

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