39BRAIN NURSING 2020年 春季増刊開頭手術とケアのポイントクリッピング術104chapterージ管理下では長期臥床を強いられるため深部静脈血栓症には十分注意を払うことが重要です。段階的弾性ストッキングには深部静脈血栓症の予防効果はなく、間欠的空気圧迫法が勧められます。中枢性塩類喪失症候群抗利尿ホルモン不適合分泌症候群病態脱水水中毒頻度30%70%体重減少不変または増加中心静脈圧減少不変または増加治療輸液、フロリネフⓇ投与水制限、塩化ナトリウム(NaCl)経口投与表2●中枢性塩類喪失症候群と抗利尿ホルモン不適合分泌症候群の鑑別術後の危険なサイン クリッピング術後に麻酔からの覚醒が悪い原 因クリッピング術後に麻酔からの覚醒が悪い、または術直後に意識レベルの低下を認めた場合は、脳挫傷、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫を疑います。早期発見・対応のポイント全身麻酔の影響もあり判断がむずかしいところですが、迷ったら早めに主治医に連絡し、画像検査を行うようにしましょう。図1は未破裂脳動脈瘤に対するクリッピング術後に麻酔からの覚醒が不良でCT検査を行ったところ急性硬膜外血腫を認めた例です。緊急で再開頭を行い血腫を摘出しました。図1●術直後の急性硬膜外血腫a.術直後、b.再開頭後。術直後のCTで右側の急性硬膜外血腫を認める()。再開頭後のCTでは血腫は摘出されている。ab
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