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3BRAIN NURSING 2020年 春季増刊 今回のブレインナーシング増刊号は、近年多様化してきた脳神経外科手術について、手術の対象疾患と目的、適応、術前の注意点、手術手技、術後に気を付けることなどを詳しくかつ簡潔に記載しています。 手術はイラストや手術写真を多用し、初心者でも内容が理解しやすくなっています。とりわけ、従来あまり言及されてこなかった手術の体位についても詳しく記載されており、手術部ナースや麻酔科研修医にも役立つ内容となっています。術後の観察の留意点も、具体例を挙げ、実際のトラブルについても記載しながらとてもわかりやすく解説しています。疾患も一般の開頭術だけでなく、血管内治療、定位脳手術、てんかんの外科、脊椎手術についても網羅的に解説しており、脳室ドレナージや穿頭術などこれまではあまり詳しく解説されてこなかった内容にも触れられています。新米ナースの登竜門である各種ドレーンの管理についても、写真付きで詳しく記載しています。 今回は、私と親交の深い、実際に手術のできる教授、臨床経験豊富な疾患センターの部長、現場でバリバリ執刀し、術後管理も行っている40歳代の若手の医師、を選んで執筆いただきました。その結果、当初予想していたものよりもはるかに充実した、幅広く、具体的で、理解しやすい、日常診療に役立つ内容となりました。大げさかもしれませんが、現在の脳神経外科手術のエンサイクロペディアともいえる内容で、本書は看護師の皆さんだけではなく、脳神経外科初期研修医にも役立つものと確信しています。 ご多忙のなかご執筆いただいた先生各位、本書の企画編集を行う機会を与えていただきましたメディカ出版の皆様には深く感謝申し上げ、この場を借りてお礼申し上げます。 本書がナースの臨床能力、観察レベルを上げ、患者さんの予後向上につながるならこれに勝る喜びはありません。はじめに菊田健一郎福井大学医学系部門脳脊髄神経外科教授2019年12月

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