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34BRAIN NURSING 2020年 春季増刊4クリッピング慎重にクリップを挿入し脳動脈瘤を閉鎖します。クリップが脳動脈瘤の奥まで完全に届いているか、脳動脈瘤の裏で血管を挟んでいないか、脳動脈瘤近傍の血管に狭窄がないかを確認します。脳動脈瘤すべてを完全に閉鎖するのが理想ですが、こうすると近傍の血管に狭窄をきたすことがあるので、意図的に少しだけ脳動脈瘤を残す形でクリップを行うこともよくあります。クリップはチタン製で、長さや形状の異なる100種類以上のなかから脳動脈瘤にもっとも適切なものを選びます。時には複数のクリップを必要とすることもあります。クリップ後はMEPで運動機能を評価し、インドシアニングリーン蛍光血管撮影や超音波血流計で脳動脈瘤内の血流が消失したこと、脳動脈瘤近傍の中大脳動脈の血流が良好であることを確認します。3脳動脈瘤の露出シルビウス裂の開放を深部に進めると、中大脳動脈の分岐部に脳動脈瘤を認めます。脳動脈瘤の全貌を露出しますが、万が一の破裂に備えて心臓側の血管、本例では中大脳動脈水平部を確保しておくことが重要になります。脳動脈瘤と周囲の血管との癒着がないか、穿せん通つう枝しとよばれる細い血管が脳動脈瘤の裏側を走行していないか、クリップが入るスペースが確保されているかを丁寧に確認します。インドシアニングリーン蛍光血管撮影や超音波血流計で中大脳動脈や脳動脈瘤の血流をクリップ前の参考として確認します。葉が離れていき、シルビウス裂が開放されることになります。中大脳動脈末梢枝中大脳動脈水平部脳動脈瘤中大脳動脈末梢枝中大脳動脈末梢枝脳動脈瘤クリップ中大脳動脈末梢枝中大脳動脈水平部

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