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45BRAIN NURSING 2020年 夏季増刊2急性期治療と看護脳内出血をともなっていることや(図3c)、脳室内に血腫が穿破することで髄液の流れが滞り、脳室が拡大する急性水頭症をともなっている場合があります(図3d)。CT アンギオグラフィーや血管造影検査で出血源を検索します。多くは脳動脈瘤が原因となりますが、脳動脈解離、脳動静脈奇形、もやもや病、外傷などの可能性もあります。術直後のCTではあらたな出血や脳腫脹の程度を確認し、ドレーンチューブの位置が適切かどうかも確認します。術翌日以降はくも膜下出血の量を評価していきます。除去が進んでいる症例ではドレーンチューブの抜去を検討します。脳腫脹が強い場合は外減圧術の追加を検討します。血管の評価としてCT アンギオグラフィー・MRAを実施します。脳動脈瘤が適切に治療されているかどうかに加えて、入院時の画像と比較して狭窄していないかどうかを評価します。狭窄部位と臨床症状が一致している場合には、血管造影検査を追加する場合が多いです。また頭部MRIで急性期脳梗塞病変を認める場合は、いくつかの原因を考える必要があります。手術にともなう脳梗塞の場合は比較的早期に起こり、脳血管攣縮による脳梗塞の場合は発症後4~14日の脳血管攣縮期に起こることが多いです。慢性期には正常圧水頭症が起こっていないかを頭部CTで評価します(図3e)。脳室の拡大傾向を認めた場合はシャント手術を考慮します。図3 くも膜下出血患者のさまざまな画像a.頭部CTにおけるくも膜出血の典型的な画像所見。ヒトデ型の高吸収域を認める。b.左中大脳動脈瘤が破裂した症例。左シルビルス裂に限局したくも膜下出血を認める。c.くも膜下出血と脳内出血が合併した症例。d.出血が脳室内に穿破したことで急性水頭症を合併している症例。e.くも膜下出血後の二次性水頭症の症例。abcde

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