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46BRAIN NURSING 2020年 夏季増刊ドレーンの種類と特徴脳室ドレーンは側脳室という髄液の空間に留置します。術中や術後に髄液を排出することで頭蓋内圧を下げる役割や、脳室内に血腫をともなっている場合は血腫を排出することが目的です。脳槽ドレーンはくも膜下腔に留置します。脳槽ドレーンの留置には開頭手術が必要なので、コイル塞栓術を用いる場合は代替治療として腰椎ドレーンを使用します。くも膜下腔の血腫は血管を刺激し脳血管攣縮を引き起こすといわれています。脳槽ドレーンを用いて術後に血腫を可及的に除去することが目的です。皮下・硬膜外ドレーンは術後に皮下や硬膜外にたまる血腫を排液することが目的です。術翌日のCTで血腫の貯留がなければ抜去します(図4)。ドレーンの観察ポイントは、刺入部での髄液漏れがないか、発赤や腫脹といった感染徴候がないかです。しっかりと固定されていない場合には抜けてしまいます。留置されたチューブの長さに変化がないかどうかを必ず確認するようにしましょう。脳室・脳槽・腰椎ドレーンでは髄液の拍動の有無・性状・排液量・圧変化を観察します。液面の拍動がなくドレーンの種類が多いです。違いはなんですか?Q27くも膜下出血で使用するドレーンは脳室ドレーン、脳槽ドレーン、腰椎ドレーン、皮下・硬膜外ドレーンです。留置部位と役割が違います。A図4 各ドレーンの留置部位a.くも膜下出血の術後に使用するドレーンの留置部位を示す。①皮下ドレーンと②硬膜外ドレーンはいずれかを術翌日まで留置する。施設によりどちらを使用するかは異なる。③脳室ドレーンは側脳室に留置する。④脳槽ドレーンはくも膜下出血が存在する脳槽に留置する。図のように脳血管の周囲にくも膜下出血は存在している。この空間に留置するのが脳槽ドレーンで、脳室ドレーンとは役割が異なる。b.腰椎ドレーンは腰椎穿刺と同様に第3〜4腰椎の間を通して硬膜管にドレーンチューブを留置する。脊髄を損傷するリスクを減らすために馬尾の高さで穿刺する。①皮下③脳室②硬膜外④脳槽abくも膜下出血脳槽ドレーン脳動脈瘤脊髄背中腰椎ドレーン

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