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47BRAIN NURSING 2020年 夏季増刊2急性期治療と看護なった場合は、ドレーンの閉塞が疑われます。頭蓋内圧亢進をきたす可能性があり注意が必要です。また、短時間での多量排液は急激な圧勾配の変化により脳ヘルニアを引き起こす可能性があります。体位変換や移動の際は必ずクランプしていることを確認しましょう22)。正常圧水頭症くも膜下出血発症直後に合併する脳室内血腫が原因の急性水頭症とは異なります。慢性期に認知機能障害、歩行障害、尿失禁といった症状が出現した場合は正常圧水頭症の可能性があります。画像検査では、脳室の拡大所見を認めます。正常圧水頭症を疑う場合は腰椎穿刺で髄液を30~40mL程度排出し、症状の改善の有無を評価するタップテストを行います。改善した場合に、髄液を持続的に腹腔内に排液するシャント手術を考慮します。シャント手術は脳室-腹腔短絡術(V-Pシャント術)(図5a)、腰椎-腹腔短絡術(L-Pシャント術)(図5b)のいずれかが行われることが多いです。チューブの途中には髄液を流す量を調整する圧設定デバイスを接続します。磁力を用いて圧設定を変更するため、MRIを撮影する際は圧が変化してしまう可能性があり注意が必要です。近年用いられている製品はMRIに対応したものがほとんどです。また、シャント術を実施している患者が転倒し頭部を打撲した際は、シャントデバイス損傷の可能性も考慮しなければいけません。術後に発熱が続く場合には、シャント感染を正常圧水頭症ってなんですか? 治療法はなんですか?Q28くも膜下出血発症後数カ月で起こります。治療法はシャント手術です。A図5 V-Pシャント術とL-Pシャント術a.V-Pシャント術の模式図。脳室から腹腔内に髄液を排出する。b.L-Pシャント術の模式図。腰部から腹腔内に髄液を排出する。ab腹腔内

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