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 脳神経看護に携わって2年、振り返ると皆さんの脳裏にはどんな顔が浮かぶでしょうか? 病状の変化にいち早く気づき重症化を未然に防げた患者さん。言葉を失った患者さんが、ゆっくり発した「あ・り・が・と・う」の言葉。転院前の病状説明で家族と一緒に不安そうな表情をしている患者さんなど、さまざまな顔があろうかと思います。多くの患者さんとかかわるなかで、知識があればもっと力になれたのに、と悔やんだ場面も(もしかすると)あったかもしれません。 そんななかで迎える“3年目”は、看護師にとって大きな意味を持ちます。プリセプティーからプリセプターになり、一人前の看護師として責任ある仕事も多く任されるようになります。後輩を指導するとなれば、自分の中で曖昧にしていたこともきちんと整理して理解しておかなければなりません。また、疾患の知識だけでなく、患者・家族の精神的ケアや社会的ケアの知識まで、求められる要素は広範囲にわたります。 そこで本増刊では、脳神経領域でもっとも患者数の多い“脳卒中”をテーマに、患者さんの入院から退院・転院の流れがわかる1冊を企画しました。「脳卒中看護 3年目の教科書」のタイトルどおり、急性期、回復期リハビリテーションなどの看護知識から、社会資源の活用まで、必要な要素をQ&A形式でまんべんなく取り上げ、脳卒中看護のすべてを網羅しています。執筆は、私の信頼する多職種の精鋭にお願いしました。このまま脳卒中専門医向けの教科書としても使える充実した内容となっています。 ぜひ、手にとってフカボリまで読み込んでください。疾患をみる知識、患者をみる知識、両方の理解を深められることをお約束します。杏林大学医学部脳卒中医学教室教授平野照之監修のことば

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