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42BRAIN NURSING 2020年 夏季増刊コイル塞栓術大腿や上腕の動脈からカテーテルを脳動脈瘤まで進め、脳動脈瘤内にプラチナ性のコイルを詰めることで再出血を防ぐ治療法です(図1c、d)。クリッピング術に比べて低侵襲であることや、開頭術で到達がむずかしい椎骨脳底動脈系の脳動脈瘤に用いられることが多いです。脳動脈瘤の形状によりバルーンカテーテルやステントといったデバイスを併用することがあります。術直後の管理の注意点開頭クリッピング術やコイル塞栓術を実施したといっても再出血の可能性はわずかながら存在します。術後3日までの急性期は、収縮期血圧を100~140mmHg程度に保ちます。術当日は全身麻酔管理(挿管帰室)を行い、術翌日のCT検査で再出血の所見や頭蓋内圧亢進などを認めない場合に鎮静を解除していきます。意識状態と呼吸状態が良好な症例では抜管も考慮しましょう。全身麻酔管理中は意識状態や運動機能を評価することが不可能であるため、瞳孔所見やドレーンの圧と排液量、外減圧部の状態などの観察が重要です。非常にまれですが、再出血を認める場合は追加治療が必要になります。頭蓋内圧亢進の所見を認めた場合は全身麻酔管理を継続し、脳室ドレーンからの髄液排出や浸透圧利尿薬を用いることで頭蓋内圧の正常化に努めます。頭蓋内圧亢進が非常に強いときは外減圧術を追加することもあります。術直後の管理はどういうことに気を付ければよいのでしょうか?Q23多くの場合、術後の数日間は全身麻酔管理を行うことが多いです。A外減圧術を行った患者は、減圧部(頭蓋骨を外した部位)の緊張度や膨隆の程度も把握しましょう。フカボリ

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