1アテローム血栓性脳梗塞野﨑夏江“アテローム血栓性脳梗塞”とは 頭蓋内外の比較的大きな血管が粥状(アテローム)硬化性病変のために閉塞または高度の狭窄となり、梗塞が発生します(図1)。頚部の内頚動脈起始部や内頚動脈サイフォン部、椎骨動脈起始部、椎骨動脈、脳底動脈などで起こります(図2)。危険因子は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、加齢などです。一過性脳虚血発作が先行し、閉塞動脈の支配領域の症状を繰り返しやすいという特徴があります。内頚動脈病変では、一過性黒内障(患側の視力が一過性に消失する)、椎骨動脈病変では、回転性めまいや嘔吐、構音障害などが出現します。アテローム血栓性脳梗塞は、発症後に症状の進行、悪化が見られることがあります。図1 アテローム血栓性脳梗塞図2 アテローム硬化の好発部位内頚動脈脳底動脈椎骨動脈10(202 )BRAIN NURSING 2021 vol.37 no.2
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