130031650
14/18

62OPE NURSING 2016 春季増刊適応疾患僧帽弁閉鎖不全症 僧帽弁形成術の適応疾患は僧帽弁閉鎖不全症であり、逆にいえば僧帽弁閉鎖不全症に対する手術は、僧帽弁形成術が第1選択となる。僧帽弁狭窄症も、術式を工夫すれば僧帽弁形成術が可能な症例も存在するが、長期成績は決して良好ではないために、次項で述べる僧帽弁置換術が第1選択となる。術前はこうなっている!経胸壁心エコー検査収縮期に左心房内に逆流を示すモザイクエコーを認める。経食道心エコー検査経胸壁心エコー検査と同様に、左心房内にモザイクエコーを認めるが、画像はより鮮明である。 心臓弁膜症の診断および重症度評価と、それに基づく手術適応の有無の決定は心エコー検査にて行われるが、特に僧帽弁閉鎖不全症においては、経食道心エコー検査による3Dエコーを含めた弁尖病変部の評価が術式決定のための重要な情報源となる。 僧帽弁の役割は、収縮期に左心室から大動脈へと一方向に血液が駆出されるための逆流防止弁である。したがって、僧帽弁閉鎖不全症を発症すると、左心室から左心房へ逆流が生じる。心エコー検査では、収縮期に左心房内への病変部弁尖の逸脱とカラードプラで逆流によるモザイクパターンのエコー(以下、モザイクエコー)が確認される。左心房左心室僧帽弁モザイクエコー左心房左心室モザイクエコー左心房モザイクエコー左心室左心房モザイクエコー

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る