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3OPE NURSING 2016 春季増刊3OPE NURSING 2016 春季増刊編者のことば 今回、オペナーシング春季増刊『心臓血管外科手術 器械出し・外回り完全マニュアル』の企画を編集する仕事を仰せつかりました。先天性心疾患から後天性心疾患(虚血性心疾患、弁膜症、大血管疾患)にわたる心臓血管外科領域すべての疾患をカバーする内容との依頼でした。執筆者を推薦するにあたり、幸いにも我々東京慈恵会医科大学心臓外科(成人班、小児班)と関連病院群においては、すべての領域の外科手術を担当していることから、我々のグループ内スタッフに執筆をお願いし、完成することができました。同一グループによるマニュアルの作成であり、一貫性をもった仕上がりとなっています。 各疾患の病態(術前・術後)の解説、患者への手術説明のポイント、ステップごとの手術手順・進行を写真、シェーマを用いてその要点を解説しつつ、その進行時点での必要な手術器械・器具、必要物品(準備時期も考慮のうえ)のリストアップ、心がまえと対応を簡潔に示しているのが本増刊の特徴です。器械出し看護師、外回り看護師として知るべき作業・事項が網羅されており、読者の皆さんに自信をもって紹介できる1冊となっております。手術に参加する前にその手術の項をご一読いただき、臨んでいただければ幸いです。個々の施設によって多少の違いはありますが、大方は一緒ですので後は自施設との若干の相違点を把握すればよいと思います。 近年、循環器領域においては、心臓外科、循環器科、臨床工学技士、手術部スタッフで一丸となって患者に対応するハートチーム体勢の構築がすすめられています。それぞれの職種がお互い協力し合って患者の治療に一丸となって関わるチーム作りを表す言葉ではありますが、それは仲良し集団という意味ではないことを肝に銘じなければなりません。それぞれの職種がプロフェッショナルとして担当する部門の知識・技術を磨き上げ、チームに参加することが求められます。そのうえで、患者のために遠慮することなく職種間を越えて意見を述べ、患者に適切で効率のよい最良の医療を提供するチームを形成することを意味しています。 読者の皆さんには本増刊を読んで準備のうえ、手術に参加することでプロフェッショナルとしてのキャリアを築き上げていっていただきたいと思います。 東京慈恵会医科大学副学長 橋本和弘

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