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OPE NURSING 2017 春季増刊211出血・感染・アナフィラキシーショックすぐに医師(術者)に報告する。術後に硬膜外麻酔による術後鎮痛を併用していると低血圧の鑑別が複雑術後に局所麻酔を使用した硬膜外麻酔による術後鎮痛を併用していると、交感神経遮断による血管床増加で生じる相対的循環血液量の減少などの要素が加わり、低血圧の鑑別が通常より複雑になる。体腔内への出血を診断するために、腹部の触診、胸部の聴診、X線検査、血液検査(血算)なども必要になる。まずは注意深く患者とバイタルサインを観察する。脳神経外科手術後は血圧上昇を避けるので注意ほかに、脳神経外科手術後は術後出血を起こさないため、血圧上昇を避ける必要がある。上昇因子には疼痛、刺激、苦痛、体動、過剰な循環血液量などが挙げられる。頭蓋内は出血を起こすと圧の逃げ場がないため、容易に頭蓋内圧亢進を起こし、圧の高いほうから低いほうへ脳が移動する(脳ヘルニア)。脳ヘルニアにより中脳が圧迫されれば、意識障害、除脳硬直など生命を脅かしかねない。降圧薬の投与や上昇因子を速やかに除去し、30分経過しても降圧しない場合はドクターコールを行って指示を確認しよう。順調に経過すれば、ドレーンの排液は、淡血性⇒淡々血性⇒淡黄血性⇒淡黄色へ変化していく。通常、淡黄色になった時点でドレーンを抜去できる(図4)。ドレーンの排液の色変化図4

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