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兵庫医科大学麻酔科学・疼痛制御科学講座主任教授 廣瀬宗孝編者のことば先日、米国に行きました。実は行きの飛行機の中で、数時間の間、頭痛と悪心に襲われてつらい思いをしました。少しお酒を飲んだのが原因でした。そこで帰りの飛行機ではお酒を飲まなかったところ、快適に過ごせました。到着したミシガン湖近くの現地では、寒波のため年間の最低気温に見舞われましたが、防寒具をしっかり準備していたので大丈夫でした。また、おいしい食事をたくさんいただきました。しかし帰国後、食べ過ぎで体重が増えたためか、長年付き合っている腰痛が悪化しました。普段の生活と異なる慣れない旅行で、予想していた出来事には対応できましたが、予期していなかった出来事にうまく対応できず、少しつらい思いもしました。手術室を受ける患者さんの身体は、普段の生活とはまったく異なる状態に置かれます。このため、予測できる合併症だけでなく、予測できない合併症も頻発する可能性があります。高度に発達した現在の麻酔管理、周術期管理、麻酔看護を駆使しても合併症をなくすことは困難ですが、それでも私たち医療に関わる者は、合併症の発症をゼロに近づける努力を絶え間なく行っています。そこで本増刊は、看護業務に携わる方々が、周術期の合併症の予防や対処に役立つ最新の知識を得ることができるように編集いたしました。本増刊の各項目はさまざまな合併症のなかから、普段遭遇しやすいものやまれだけれども重篤で適切な対処が必要なものまで、50の合併症を選んでいます。そして執筆は、それぞれの分野のエキスパートの方々にお願いいたしました。ご多忙にもかかわらず執筆をご承諾いただき、イラストとわかりやすい内容の本増刊を作成していただいた先生方に厚く御礼申し上げます。
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