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第   章形成外科手術の看護のポイント112   OPE NURSING 2017 臨時増刊2オペナースが知っておきたい 形成外科の手術治療の特徴はじめに形成外科の治療の対象は全身にわたる。治療では、体表のいろいろな部位や種々のアプローチによる手術、皮膚レーザー治療が主であり、多くの種類の手術が行われる。手術の対象は、皮膚や皮下の外傷や腫瘍、潰瘍、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイドであることが多いが、他に筋肉、腱、骨、軟骨、血管、リンパ管、神経などがおもな対象である手術も行っている。また、複数の手術箇所で同時に手術を進めたり、皮膚やその他の組織の移植を行ったり、術中に治療方針を変更したり、他科の切除術の後を受けての再建手術をしたりすることもある。身体各部位の手術に、看護師としてつねに適切に対処対応できるようになるには、形成外科手術の特徴を知り、担当する手術の内容や使用する手術器具についての知識を持つだけでなく、形成外科手術の流れの具体的イメージをあらかじめ持っておくことが重要である。Point 1手術の対象は、全身1.手術室内の手術台、麻酔器などの設定と準備手術の全身麻酔、局所麻酔の違いに従い、麻酔医と麻酔機器の手術室内での位置設定を、手術内容、患者体位、止血機器の位置などを考えて設置する。不明な場合は、術者や麻酔医に相談する。さらに形成外科では、マイクロサージャリーでの手術顕微鏡やナビゲーション手術機器、レーザー機器、超音波診断器など、種々の大型機器を要する手術があり、手術進行上の適切な段階で手術台に近い適切な位置に設置し、術者たちに最もよい動線が得られるように配置する必要がある。また、機器に付随した物品もすぐに出せるように準備しておく。不明なときは術者に聞いておく。2.患者体位仰臥位での手術が多いが、頭部懸垂位やU字台使用、肩枕使用、手台使用、上肢体側位、上肢吊り上げなどの追加事項があることも多い。また手術によって、狭い手術台

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