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オペナーシング 2018年 春季増刊168 麻酔導入が飛行機の離陸だとすると、覚醒から抜管は着陸に相当します。「すぐに覚醒させて次の症例に移りたい」、長時間で夜間までかかった手術では、「早く患者を退室させて帰りたい」ところですが、焦りは禁物です。慎重に覚醒させて、安全に病棟へ帰室させましょう。Point 確実にカウントの確認をするまでは覚醒させない! 手術執刀時と同様に手術終了時にもチェックポイントがあります。①ガーゼカウント、②針カウント、③手術器械のカウントを確認するまでは覚醒させてはいけません。 鉗子、ガーゼ、針など、手術で使用するすべての器械・医療材料については数を数えて、患者体内への遺残がないことを確認します。これらは器械出し看護師と外回り看護師で相互にチェックする必要があります。そのうえで、チェックリストあるいは看護記録に入力します。 同時にX線撮影で遺残がないことをダブルチェックします。X線撮影が必要な手術については施設ごとに基準を作っておきましょう。開腹手術、開胸手術やこれらの部位の内視鏡手術では必須ですが、体表面の手術では必ずしも必要ではありません。X線撮影後は必ず医師が確認して、記録を残します。Point 覚醒時は患者を刺激しないように! チェックが終わったら患者の覚醒です。覚醒前に準備しておく物品は、吸引カテーテル、カフの注射器、マスクなどです。すぐに使用できるように確認しておきましょう。 覚醒時に注意したいのは患者を不用意に刺激しないことです。手術終了後はドレーンの固定や創部の消毒液や血液の清拭、さらに下肢に装着した間欠的空気圧迫装置のカフの脱着などの際に患者に触れる必要がありますが、必要以上に患者覚醒・抜管時の注意点宇部興産中央病院麻酔科部長 森本康裕

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