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オペナーシング 2018年 春季増刊108 手術開始時は、まず安全に手術が開始できるように、手術に関係するスタッフでタイムアウトを行います。術中は、急変に対応し安全に手術が進行するようにします。そのためには手術時に起こりうるさまざまな状況について理解し、日頃からシミュレーションをしておく必要があります。Point タイムアウトで手術の内容をチームでチェック タイムアウトとは、皮膚切開前に患者、手術法、手術部位を確認するための時間です。術者、麻酔科医、外回り看護師がチェックリスト(図1)1)を使って行います。 まず、すべてのチームメンバーが名前と役割を自己紹介します。中〜小規模の病院でチームメンバーの変更が少ない場合などは省略してもよいでしょう。すべてのメンバーで患者の名前、手術法と皮膚切開の部位、さらに抗菌薬の投与状況について確認します。 次に、術者は、術中に予想される合併症やいつもと異なる手順の有無、予想手術時間、予想出血量などについて説明します。麻酔科医は、麻酔管理上の問題点を確認します。最後に外回り看護師が、滅菌状況、器具の問題点がないか、必要な手術画像が表示されているかを確認し、これを記録します。Point 手術開始後は麻酔関連・手術関連の急変に目を光らせる 手術室看護師は、手術開始後は順調に手術が進行するように、麻酔科医と術者を介助していきます。特に術中の急変に対しては迅速に対応する必要があります。麻酔関係では患者の呼吸器系、循環器系の合併症が特に重篤です。何らかの原因がある場合もありますが、なんの前触れもなく起こるケースもあるため、常に油断は大敵です(表1)。手術関係では特に大量出血に注意が必要です。頻回の出血量の測定はもちろん、輸血部への連絡や必要な人員の確保も手術室看護師手術開始と麻酔時の注意点宇部興産中央病院麻酔科部長 森本康裕

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